母が初めてコロナに罹患しました

今月初旬、私の母が初めてコロナウイルスに感染しました。普段はとても我慢強い母ですが、今回はこれまでに感じたことのないほどの強い倦怠感と、咳、息苦しさ、悪寒、喉の痛みが現れ苦しいと言いました。その後、微熱(37.6度~37.8度)が続き、体全体が重く感じられ座っていることができないくらいの状態となりました。数時間して、母から「救急病院に行きたい」と言われ、私は、もしかするとインフルエンザかもしれないと思いつつ、かかり付けの病院の発熱外来に電話をしました。
電話口で対応してくれた、看護師さんから「年齢のことを考えると、ご入院になる可能性が高いです。現在、当院には入院用のベットに空きがない為、来ていただいても診察のみになってしまいますが、、、。」と言われました。ですが、母は長年通っている病院以外には行きたくないと言うのはわかっていたので、「入院できなくても構いません。何とか診ていただくことだけでもおねがいできないでしょうか?」と懇願し、母を車に乗せ病院へ向かいました。
診察までの30分程、待合室で母の体調を見守りながら、水を飲ませ、励まし続けました。診察室で、母はインフルエンザとコロナの検査を受け、その結果が出るまでの1時間ほど不安な時間が続きました。その後、再び診察室に呼ばれ、医師から「結果はコロナ陽性ですが、症状は軽症ですので入院は不要で、自宅での療養で大丈夫です」と告げられました。母は「コロナ?!なんで私が…」と驚いた様子でしたが、信頼する病院で診断を受けたことに、どこかほっとした面持ちでした。
その後、母の咳と全身のだるさは数日間続き、しばらくは寝込む状態が続きました。私は定期的に体温を測るよう促し、症状や食欲、体力の変化に注意を払い、栄養補給と水分補給に特に気を遣いました。ミネラルウォーターやお茶類、缶詰の果物、プリン、ゼリー、お粥、うどん、スープなどをこまめに部屋へ運び、声掛けをし、ドアノブやトイレ・洗面所の消毒も徹底しました。医師の診断では「軽症」とされ、在宅での療養が推奨されましたが、70代後半ということもあり、もしも入院できる環境であったならと、心の中で思いました。特に、母を自宅で隔離している間、気を付けてはいても同居している高齢の父にうつってしまうのではないかという不安が絶えませんでした。
療養期間を経て、父にうつすこともなく、母は徐々に普段の生活に近い状態へと回復していきましたが、その後も咳や多少の息苦しさが残るため、後日再検査を受けました。結果として、肺や心臓にコロナ後遺症は見られず、持病の喘息に対して吸入器の処方を受け、今では少しずつ良くなっている様子です。今回の体験を通じて、ただ体力の回復を支えるだけではなく、精神面のサポートと、日ごろの体調の観察の重要性を痛感しました。
灯子